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天声珍語
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3月5日

 

男一匹 桧山

今回の天声珍語はちょっと私事を書かせていただきます。

ビリヤードファンの多くの方がもうご存知かもしれませんが、JPBAの桧山春義選手がこの三月三日にお亡くなりになりました。心からお悔やみを申し上げるとともに、個人的にも大変御世話になった桧山さんのすばらしい人柄を少しでも皆さんに知っていただき、ビリヤードを一生懸命やっているプレーヤーの方々には何か参考になることが書けたのなら、わたくしなりに桧山さんの供養にもなるのではないかと思い、いまだ混乱している頭を整理しながら話を進めてまいりたいと思います。

桧山さんの訃報を聞いたときには本当に信じられませんでした。入院していることは知っていましたが、実はこの日の夕方5時ごろに電話で桧山さんと話をしたばかりだったからです。昨日、お通夜で奥さんとお話した限りでは、5時半ごろに容体が急変し、意識不明になられそのまま8時にお亡くなりになったとのことで、わたくしが最期に話をした人だと思われるとのことでした。わたくしはと言えば、桧山さんとの電話のあと、「ひよこの会」に出席し、東海屈指のプレーヤーたちに勝ち、優勝して喜んでいたところにこの訃報を知らされたのでした。わたくしごときがあのように勝っていったのは、今を思うと桧山さんが横についていてくれたような気がしてなりません。最期の電話での話は桧山さんの新しく出す予定のお店についてだったのですが、最後にわたくしが桧山さんの健康を気遣ったところ「酒井君こそがんばれよ」と言っていただいたことが、本当に心に今さらながら響いています。

桧山さんとの出会いはかれこれ10年近くさかのぼります。その当時まだB級だったわたくしでしたが、そのころからチョコチョコ顔を出していた春岡クラブUで、桧山さんと59をついていただき、すごい殺しだまに感動してしまい、その翌週京都まで出かけて桧山さんと撞いてもらいました。それ以降、当時非常に元気だった桧山さんとはビリヤードに、酒に、遊びにと本当によくかまっていただきました。日曜は仕事だった関係から試合経験がほとんどなかった私が、内閣総理大臣杯の予選に出ると言ったときには「酒井君はローテーションの経験が少ないから」と言って、ローテーションを240対120で何回も撞いてもらいました。しかも名古屋で。(そのあと女の子を交えて王様ゲーム目的の飲み会をしました。少人数の王様ゲームゆえ、桧山さんとキスする羽目に・・・男とキスしたのは生まれてこのかた一度きりです。二人の内緒にしようと言うことでしたが、もういいでしょう)

ここまでは私事でしたが、ここからはぜひ皆さんにも知っていただきたいことです。

桧山さんはトッププレーヤーでありながら、全く飾ることのない(服装はご存知の通り派手なピンクタイフーンでしたが)、そして遊び好きでしたが、一方玉突きには非常に真摯な方でした。体調を崩してツアーに全部出られなくなったとき、「全戦全力を尽くせないのはプロじゃない」とプロを辞められ、手術を乗り越えプロに戻られたときからは大好きなお酒も飲まず、夜も遊ばず、試合にかけておられました。そんな桧山さんが日本ランキングトップになられたときは本当にうれしく思いました。またそうした苦しさを一切表に出さず、楽しく明るく、周りを笑わせながらプレーを見せてくれた姿は、本当にプロフェッショナルでした。そして本当にかっこよかったです。去年の末、北陸オープンでベスト8の試合、逸野プロと戦い、8−2でリーチをかけられてから、まくって勝った姿は観客に感動を与え、直後に話をしたときに「1セット差に追いついてからは、まくれるかもと思ってしもうて、ちびりまくってしもうたー」と飾らずいう桧山さんは本当に素敵でした。そして、そのあと高橋プロに負けた直後、台から離れようとする桧山さんにファンが駆け寄りサインを求めたところ、負けた悔しさを表に出さず笑顔で快くサインして、握手までして・・・本当の意味でファンを大切にするプロ中のプロでした。(よく桧山さんが「日本一になったら、まぁちっと女にモテルんちがうかなぁと思っとたのになぁ」とおっしゃっていましたが。。。。やっぱり男性ファンばかりですねぇ。)

ビーマガVをご覧になっている方なら、「3分間クッキング」でその人柄の一部はご存知でしょう。ご覧になっていない方はぜひ一度ご覧ください。絶対笑ってしまう中に、玉突きの真実に触れている場面がいくつもあります。

最後に、僕が桧山さんからもらった一番大切にしている言葉を書きたいと思います。

あれは僕がA級にあがってからしばらくして、なかなか勝てず腐り気味でいるときでした。自分の努力不足を棚に上げ、「俺ってセンスないかも知れない」などと桧山さんの前で言ってしまいました。そしたら桧山さんは「わし以上の奥村レベルのことはわからへんけどな・・・」と前置きされた後でこういわれました。チャリンコに乗れる運動神経さえあれば、努力さえすれば玉突き誰でもわしレベルまではなれるで・・・わし以上のことまでは知らんけどなぁ」

自分の努力不足を、やさしく笑いを交えながら指摘されたことで自分を恥じ、そのとき桧山さんの眼を見られませんでした。

これは玉突きだけのことではありません。仕事、人生、あらゆることの失敗に、言い訳を付けながら自分は日々を暮らしているのではないか。それが玉突きでは「センス」という言い訳になっただけだ。桧山さんは本当に努力をしていることを知っているだけに、この言葉は胸に刺さりました。「チャリンコ乗れたら誰でもできる」この一言は、ひとつのことを懸命な努力により成し遂げた桧山さんだからこそ重みのある言葉であり、玉突きを軽く扱うようでありながら、その奥深さ困難さを的確にあらわしているんだと思っています。そして今でもお客さんにこの話をしたりしながらも、自分の肝に銘じています。

 

多分これから先、桧山さんに代わるようなプレーヤーは現れないでしょう。それくらい面白くて、楽しくて、素敵で、かっこよくて、まじめで、男らしい、堂々としたプレーヤーでした。桧山さんと知り合えたことだけでも玉突きをやった価値が僕にはありました。そして、桧山さんが愛した玉突きを少しでも多くの人に知ってもらえるよう僕もがんばります。できれば桧山さんのような、言い訳しない、玉突きを楽しみながらも真摯なプレーヤーになりたいです。

天国でまた玉突きを教えてください。そのころには僕ももう少しいいところを見せれるようになっておきます。

桧山さん、本当にありがとうございました。そして御疲れ様でした。

 

2月11日

 

Cogito Ergo Sum=コギト・エルゴ・スム」(我考える、故に我あり)

今、巷ではインフルエンザがはやっているそうですが、皆さんのお体の調子はいかがでしょうか?私は大変悪いです。普段からの不摂生がたたったか、風邪がぜんぜん治りません。小学生だったころ、6年間で100日以上学校を病欠し、「ガラスの貴公子」と呼ばれたわたくしは身も心もあのころのままです。しんどくても仕事は休めないので、早く治そうと付知峡に伝わる民間療法「メンソールタバコ馬鹿吸い咽喉療法」や、S井家130年伝承「アルコールうがい喉殺菌法」などを日夜欠かさずやっております。(S井家130年伝承「アルコールうがい喉殺菌法」は選ばれし家系にのみ効果のある治療法です。一般の方々には、一歩間違えると病を悪化させるだけではなく、肝機能障害、急性アルコール中毒、アルコール依存症などを誘発する恐れがある諸刃の剣ですので決してまねはしないでください)

さて、今回の天声珍語は哲学的な話題でございます。最近「自分が自分であることを規定しているものって何だろう」などとふと考えたりしてしまうわたくしであります。かのデカルトは方法的懐疑を用いてあらゆる物事を疑い、その存在を否定していった結果、疑い考え悩んでいる自己の存在だけは確かであることを発見しました。人間は思い、考えることにより己が存在を確認することができるのではないでしょうか。

しかし、われわれは考えているのでしょうか?ある行動をとるとき、何かしらの考えによって結論を出しているでしょうか?買い物をするとき、ご飯を食べに行くとき、その1球を撞くとき、多くの場合深い思考はなく、ただなんとなく行動しているのではないでしょうか。行動こそが、人間の唯一の思考の表現方法であるとしたら、その浅はかな行動は人間の存在価値をなんと軽いものしていることでしょう。とはいえ、わたくしごとき凡人は常に考えるなどということができるはずもなく、ただ目の前を時が過ぎていくのを愚かに傍観している日常でございます。逆説的に言えば、その愚かさこそ人間を愛すべきものにしているともいえるのです。

けれどもここに許されざるべき資本主義の問題が発生しております。わたくしのような深い思考なしに行動を選択する一般市民を誘導することをお金にしようとする者たちがいるということなのです。

先日あった節分ですが、皆さん「節分」と言えばなにを思い起こされるでしょう?やはり豆まきではないでしょうか。

ある家族の肖像(豆まき編)

中島家家族構成

子供(泰彦6歳。4月から南セントレア小学校に通う)

父(伸男39歳。中堅鉄鋼商社勤務)

母(あき子34歳。主婦業の傍ら在宅でデザイン関係の仕事をしている)

中島家では豆をまく泰彦が「鬼は外、福は内!」と言いながら鬼に豆をぶつけ、鬼のお面をかぶった父、伸男は「泰彦にはかなわないや〜!」と叫びつつ玄関から出て行く。あき子の「泰彦、鬼さん出て行っちゃたよ〜」の声に泰彦は満足げだ。伸男は外に出た瞬間の寒さに一瞬身をブルッと振るわせつつも穏やかな表情をお面の下からのぞかせ、「泰彦もこんなに強く豆が投げれるようになったのか。将来は野球選手かな。」とつぶやく独り言の息も白かった・・・。 

なんて幸せなワンシーンでしょう。ところがどうですか最近は!2,3年前まで聞いたこともなかった恵方寿司とか丸かぶり寿司っていうんですか、あれ。なんか「これを節分に食べるのが時代のコンセンサス」てな感じでコンビニ店内ビラ貼りまくり!コンビニ業界の「炒った豆なんか売ったって金にならん!どうせなら、3人家族に3本、巻き寿司でも食わせたれ!」という考えが見え見えです。

おかげでこの中島家はどうなったでしょうか?

ある家族の肖像(丸かぶり寿司編) 

母あき子は夫と息子に今日コンビニで広告を見てなんとなく買ってきた3本の恵方寿司を渡した。「南南西のほうを見ながら、黙って丸ごと1本食べきると幸せになるのよ。」そう言いながら自分の分の恵方寿司に目を落とした。(このお寿司、なんて黒くて、太くて、大きくって。あぁ、これを大きく口をあけてかぶりつけだなんて・・・そういえば、広告代理店の鈴木さん、今度いつ会えるのかしら・・・泰彦が小学校に上がったら、もっとこの家でも会えるわね。ホテル代だって馬鹿になんないし・・・)2ヵ月後からの自分と仕事を通じて知り合った男、鈴木の関係の想像・・・それを突然息子の声がかき消した。「お母さん、大きすぎて食べきれないよ〜」「馬鹿!やすひこ!黙って食べきりなさいって言ったでしょ!幸せが逃げちゃったじゃないの!」「泰彦!6歳にもなってこれくらい食べ切れないとは、お父さん情けないぞ!」「え〜ん、だっておおきいんだもん〜」

これでは子供は顎関節症になり、さらに7年後には非行に走り、一家はバラバラ。幸せな家庭は、もろくも崩壊でしょう。

序論が長くなりすぎてしまいました。本論に入りたいと思います。ここまでで、われわれの「なんとなく行動」がいかに資本主義の中で利用され、不幸な結果を生んでいるかは、お分かりいただけたのではないでしょうか。われわれが地に足をつけ、自分の幸せ、つまり人生の意味を見つけるためには、ときに立ち止まり、考えて行動する必要があるのです。自分が自分である、それはイコール自分で考え自分の行動を決めるということなのです。周りの偽りの情報に流されず、自らが決めた道を歩む。それこそが自分を探す終わりなき旅なのです。ここまで言えばお分かりでしょうが、もうすぐ製菓業界に仕組まれたあの日がやってまいります。

そうです!現代のセカンドインパクト、第二のカップリング記念日となっている2月14日です!!!西洋では、婚姻の禁止に反対し、死刑になった聖バレンタインをしのび、永遠の愛を約束するもの同士贈り物をするという風習が、またもやこの国では菓子屋に大きく捻じ曲げられ、非モテ大虐殺の日となっております。この国にはもう人を思いやり愛する心は失われてしまったのでしょうか!!!

「しまったわ。私、ぜんぜん知らないで、深く考えもせず三越でゴディバを買ってしまったわ。なんて浅はかだったんでしょう私・・・どうしたらいいのS井さん!」そうです、ゴディバなんてもってのほか。ゴンチャロフ、明治、風月堂にいたるまでこの時期にきれいにパッケージングされた菓子を買うことは自分が自分であることをやめること、神への冒涜、罪深きことなのです。

しかし、罪を罪であると気づいたとき、初めてその人に正しい道が開かれるということも忘れてはなりません。これこそは浄土真宗の開祖、親鸞の言った「悪人正機」というものなのです。真実を求めるあなたには、常に門は開かれているのです(Five&Halfの)。

というわけで、2月14日は当店にてわたくしが直々に菓子をお預かりいたしました上、わたくしが罪をかぶり、皆様の免罪を祈願いたします。たとえこの身がインシュリンづけになろうとも・・・

(もし、これで何ももらえなかったら、わたくしはその夜、病床の身に鞭打って「名古屋の中心で愛を叫ぶ(具体的には東新町で浜省)ことになるでしょう)

 
2月9日
 

「コーチ、一緒に来てくれないんですか!」

「岡。俺は必ずあとから行く。」

(そういいながら棟方は「岡、エースをねらえ!」という言葉を最後に逝ってしまった。)

東海ビリヤードにおけるハエであるわたくしごときが試合を欠場したからと言うことで、試合会場ではいろいろと噂をしていただいたようで、至極光栄であります。「S井は逃げた」「S井はサボった」などという批判に対して、あえて反論はいたしません。しかし、\8500という高いエントリーフィーであるガリオン杯を誰が好き好んで金だけ払って欠場するでしょう?正直に言います。土曜日に入っていた早い時間のバイトが先月末にトンで、木金土と通しで店を見ることになり、朝4時まで店を見て寝ずに試合に行くのはホントしんどいんです。この前天声珍語に書いたように、試合から帰ってきてさらに翌朝まで店に入ると燃えカスも残らない真っ白な灰になってしまうんです!えぇ、確かにわたくしが優勝する気満々でしたら、それでも出場したでしょう。でも、その代わり、夜は店を閉めなくてはいけなくなります。しかたなかったんです!

え?じゃあなんで某プロとIじまと店を閉めてから飲みに行ったかって?

そ、それはあれですよ、☆のやつが、「飲みに行ってストレスを発散してから試合に出たら勝てる!俺も昔、東海オープンをそうやって勝った!」って言ったんですよ・・・・

すいませんでした〜!いいわけです。前の週のハウスチーム対抗戦でもボロボロ、ひよっこでは負け負け、ナイ、入れナイ、ネキがナイのわたくしのナイビリヤードではガリオン杯の高いレベルでは勝てるわけがないと思い、欠場してしまいました〜!勘弁してください、わたくしが根性なしでした!

しかし、今、風邪引いてダウンしとります。身も心も弱っております。風邪が治ったら、また一から出直してがんばります。土曜日のバイトも見つかりそうですし。。。次回試合に出ることがあれば、「エースをねらえ!」でがんばります。今回はこれくらいで許してくださいませ。。。。

 

 
2月1日
 

All for one,One for all! (「われら三銃士、結束は固い!」 戸田奈津子訳)

行って参りました、ハウスチーム対抗戦。

そんでもって、準優勝でした。

心強いチームメイトたちに支えられ勝ち進むチーム。

先鋒はオーラパワー全開で、強豪Nかちゃんを予選、準決勝と2回も下したT中会長!都市対抗準優勝メンバーとして、チーム戦においてこれほど頼りになる人はいません!この方のオーラに近づけば、弱った生き物は確実に{逝く}ことになるでしょう。

次鋒はK藤君。普段からBLACK=K藤と呼ばれるその球撞きはまさにこのような試合でこそ真価を発揮されます。取りこぼし無く勝ち星を挙げ、最も安定した試合運びをしてくれました。対戦相手になった方はさぞかしやりにくかったでしょう。

副将、KわだうちのチームのMVPです。予選では全勝をあげ、実に良くやってくれました。今年はこの男がやりそうな気がしてなりません。きっと良い知らせを当店にもたらしてくれるでしょう。

大将のS井。なに、あれ?あの人がいなかったら優勝だったんじゃあないの?決勝入ってから負けっぱなし。特にファイナルなんて目もあてらんない。5−1で真っ先に負けて、ホント足引っ張ってばっかり。最後に回ってきて撞いた8番空クッションなんて、触りもしなかったですよ、お客さん。あれじゃあチームメイトの三人に申し訳なさ過ぎじゃないですか。決勝であるにもかかわらず、彼の得意技「ミエルティ」炸裂!決勝会場で、ただ一人「オラに元気を分けてくれ!」状態でしたよ、まったく。ありゃ、今年もダメでしょう。

注) 古来「色男、金と力はなかりけり」と言われるが、これは三国時代、蜀の大将であった江 須迂意(え・すーい)を守ろうとした三人のつわものが非常に強かったのに対し、須迂意は顔だけで役立たずであった故事による。大将は三銃士とは違い、ただのイケメンだったということにおいてはデカプリオが一人二役を演じた「仮面の男」に詳しい。(民明書房 「下手は死ななきゃ直らない」より)

しかしなんですかねー。試合が終わってから、オモ山さんA山君とチームメイトで飯を食い、さらにうちの店に来て飲んだりしてたんですが、わたくしホント元気がなくなってしまったのです。そこにMAR○Yの店長A山が追い討ちをかけてくるんですよ。「ありゃねーよ」だの「ダメだ」だの。しかしですよ、皆さん。確かにわたくしは大将失格A級プレーヤー失格太宰治「走れメロス」でしたよ。えぇ。そこに対しては一点の曇りもありません。しかし、あのM○RCYのチームはホームであるにもかかわらず決勝一回戦でわれわれのチームに負け、なおかつその原因は店長であるそのA山が、うちのチームメイトにたこ負けしたからなのです!わたくしに偉そうに説教する資格はまったく無いと思うのですが皆さんいかがでしょうか!!(皆様からのお便りお待ちしております)しかし彼は自分のことになると一言「チャンスが無かった」と済ませてしまう、すごい能力の持ち主なのでたぶんなにを言っても通じません。

まあ、そのあとも例のようにオモ山さんとT中会長の飲みが朝まで続いたわけですが、連日の寝不足により、さすがにわたくしも最後は落ちてしまいました(店を始めて、初めてです)。その姿は「あしたのジョー」最終話(左下に「完」の一文字)を想像していただければほぼ間違いありません。今日降っている雪のように真っ白な灰になっておりました。隣にいた人は聞いていたかもしれませんが、「パトラッシュ、なんだか僕もう眠いや」とつぶやきつつ、天使たちと空に上ってしまいました。

 

 

追伸 うちのお店から出たチームの試合姿勢に問題があり、不快な思いをされた方がいらっしゃるという話を後日聞きました。彼らも悪気は無かったとはいえ、大変申し訳なく思っております。ビリヤードはすばらしく面白いものですし、楽しんでプレーすることが大事だとわたくしは考えておりますが、当然それは対戦者同士が気持ちよくプレーすること無くしてありえないことです。試合に臨む姿勢については私自身を含め、うちから出場される方々一同、今一度襟を正していこうと思い、今後そのようなことが無いよう努めてまいりたいと思っております。今回このようなことがありましたのはわたくしがお客様にマナーについて話していなかったことが原因です。対戦されたプレーヤーの方にはどうか寛容な気持ちでお許し願えれば幸いでございます。この場を借りてお詫びいたします。

 
1月26日
 

お願い。僕の地球を守って! (ある男と災害の関係について語る)

こんばんは。「エコロジーと京都議定書を遵守する会」会員番号32番のパトリックS井です。

さて、長きに渡り「地球に優しいビリヤード」を提唱してきた当店ではありましたが、このたび身内の不祥事を公にしなくてはならないことを大変遺憾に思います。現在、私自身も少なからず動揺しており、皆様に果たして冷静にそして正確にこの事実をお伝えできるか自身がございません。ある革巻き工房のサイトの掲示板にてわたくしのファンのギャルが、「最近天声珍語の更新が遅いですぅ〜なんかS井さんに会えなくなって感じがしてすごく寂しいんですぅ〜」という大変ありがたい声をいただきながら、なかなか更新できなかったのはこれからお話しすることに関連し、わたくしが先週、先々週と床に伏せていたからなのです。(注 ねたが無かったからでは決してありません)

さあ、皆様にどこからお話したものか・・・あれは去年の暮れも押し迫った12月26日のことでございます。当店に何度かお越しのお客様にはご存知、当サイトでも東海学園病患者として取り上げたことのあるS柳とわたくしは球を撞いておりました。その夜は空に昇った下弦の月にもうす雲がかかり、薄紫色に彩られた0等星たちが恐ろしいまでに怪しげな光を放っておりました。そんな夜のとばりのなせる業か、お客様のいないこの店で、スタッフと球を撞いているわたくしは寒気を感じ、言葉すくなにただ淡々と球を撞いていたのでございます。

するとわたくしがマスを立てたとき、S柳がとてもよいブレークをしたのでございます。この男、あのもっとも高価なブレークキュー、プレデターBKを使っているだけあってブレークだけはなかなかのものを持っておりますので、さほど驚かずに見ておりました。彼はブレークはいいが、イレとネキはいまいちという致命的な欠点を持っており、彼とは結構玉を撞いているにもかかわらず、一度としてマスワリを見せたことが無かったのです。

そんなS柳ではありましたが、なぜかその夜そのときは妖しげな夜気を身にまといながら、自慢のKわ端ダイナマイトレフティープロも使っているカスタムキュー「折り冷え」を片手に8番まで取りきっていきました。そのただならぬ雰囲気にわたくしは背筋が凍る思いがいたしましたが、彼は学園病患者、9番はきれいにはずしてくれるに違いないと信じてやみませんでした。しかしその夜のS柳は違いました。なんとその最後の1個の玉をポケットに沈めてしまったのでございます。S柳のめがねの下の細い目が何かにとり憑かれたように鈍い輝きを持って潤んでおりました。わたくしはその時、くしくも予言してしまいました。「これは何かとんでもないことが起こるに違いない・・・」と・・・。

わたくしはその翌日ニュースを見て唖然といたしました。「とんでもない何かとはこれだったのか・・・」  

そうです。スマトラ沖であの地震が起き、インド洋沿岸では多大な被害が出ていたのです。その時点では地震による被害が判然としない状況ではありましたが、私は祈りました。「少しでも多くの人々が救われますように。そして、この不幸な天災が、当店のかわいいスタッフとは何も関係がありませんように。」

しかし、わたくしの祈りをかなえるには神はあまりにも非情でございました。

地震の被害は多大におよび、とどまるところを知りません。そして、もうひとつの祈りも届かぬことを1月9日に知らされたのです。

この日1月9日は当店の月例会でございました。S柳は通常負け負けにて店の運営に力を注いでくれるのですが、なぜかその日は敗者側にて2回も勝っていたのです。そしてこれを入れれば決勝という9番にまでたどり着いてしまいました。そしてその9番をショットし入ったかいなかの瞬間でした。

 

        ごご〜   グラグラグラー

 

とても大きな地震でした。店の照明が揺れる中、月例会の参加者の皆様方もおびえつつ、わたくしも「そんな!」という思いでテレビのチャンネルをNHKに変え地震情報を待ちました。そしてそこに神の啓示を見たのでございます。

震源地=愛知北部 そしてモニターに出された愛知県の地図には春日井に×印が付いていたのです!!!もう疑う余地はありません。S柳こそはビリヤードで天災を引き起こす男だったのです!

神よ!あなたはなぜそのような過酷な運命をこの年端も行かぬかわいい店員に授けられるのですか!このS柳がスマトラの地震を引き起こしたことをどのように償えというのですか!おぉ神よ!わたくしのかわいいスタッフをなにとぞお救いください!!!

わたくしは三日三晩祈り続けました。そして、悩みの深さから床に伏せてしまいました。そして、立ち上がったとき激しい閃光に打たれたような感覚とともにある指針が私の心の中に道を示したのです。

「そうだ!逆にS柳を防災に役立てればいいのだ!」

こうしてわたくしは決意いたしました。S柳がマスワリおよびトーナメントで成績が良いときにはこのサイトにて警鐘を鳴らしていこうと。そうすることで少しでも彼の罪が軽減されるならば・・・。

これから遠くにお出かけの際にはこの「天声珍語」を一度ご覧になってからをお勧めいたします。また、これを機に今一度、防災についてご家族でお話しをされてはいかがでしょうか?

最後にひとつ皆様にお伝えいたします。(気象庁およびNASAには連絡済です)

S柳が先の23日(日曜日)学校対抗にて、7チーム中3位になり全国大会に駒を進めました。決勝は3月20日だそうです。マスワリひとつで15万人の被害が出る男、そのような大舞台で万が一のことがあれば、もうなにがあるか予想できかねます。おそらくは地球滅亡も免れないことでしょう。

あとはただ祈るばかりです。

 
1月14日
 

MAR○YのA山Tしやさんはとても上手でわたくしはへたくそです

突然失礼いたしました。

先日、A山M好、S井の三人で、59を50マス行い、誰が一番強いのかをはっきりさせました。本当は思い出したくも無いのですが、男に二言は無く、言い訳も無用です。

30マスではわたくしの一人がちでした。しかし終わってみれば、私の一人負けでした。。。。。。。

朝方に終わってから3人とオモ山さんの4人で苦い酒を飲み、翌日もわたくしはとおしだったので「早く寝ないと」とは思ったのですが、ベッドにはいってからも寝付けませんでした。枕が濡れたのはいうまでもありません。

すいません、多くを語りたくない気分です。しかし最後にこれだけ言わせてください。

A山さん、できるだけ近日中にまた玉突きを教えてください!!!!

 

 

 
1月4日
 

みなさま、あけましておめでとうございます。

本年もスタッフともども当店Five&Halfをよろしくお願いいたします。

さて、先の12月9日に更新いたしましたた天声珍語に書きました「A子の初体験」に対してメール等で多くの反響をいただきました。

「匿名希望の女子大生です。正直言って感動しました。S井さんは作家になって官能小説を書かれてはいかがですか。」

「三重県に住むビリヤードファンでS井さんの大ファンです。この前の天声珍語を読んで”S井さんってこんなエッチな人なの?"なんて思ってしまいました。えへっ。ごめんなさい。でも、S井さんならエッチでもいいかなぁなんておもっちゃいました(はぁと)。」

元祖ビジュアル系ビリヤードのわたくしを女性ファンが応援してくださることには大変感謝いたしております。(重ね重ね、今年もよろしくお願いします。)

しかし、「A子の初体験」は決して官能小説フランス書院系ではありません!!!

ビリヤードというメンタルスポーツをテーマにした純文学です!!

そこのところを十分ご理解のうえ、再読していただければご納得いただけるかと存じます。

さて、年末年始忙しい中、柳橋市場に大晦日の明け方買出しに行ったり、球を撞いたりして、秒刻みのスケジュールのわたくしではありますが、昨日、初詣をかねてデートに行って参りました。

なに、聞こえませんでした?

初詣をかねてデートに行って参りました。

 

イヤー参りましたよ。まったく

おちょぼ稲荷に行ってきたのですが、相手の女性は沿道の人ごみでは手をつなげだの、あれを買ってだの、これが食べたいわがまま放題で。まあ「デーティング」などというものは女のわがままに付き合ってやる男の寛容さを試されているようなものですから。女というものは、すねたら抱いて優しくして、うまいものでも食わせてやればきげんの良くなるものなので・・・。

ええ、言われるまでも無く、その夜と翌日の昼間の営業はバイトたちに任せて、初詣の帰りは相手のうちにしっぽりと宿泊してまいりました。今年初の外泊ですよ、参ったなぁ。

ついでにその女性とのツーショットもアップしちゃおっかなぁ。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  

                   わたくしとまーちゃん

                       参考

 

うん、ちょっと涙が出てきた。新年なのに・・・・・

 

 
12月15日
 

メリーあみだぶつ

キリシタンの宗教的祭典が迫りつつある今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

こんにちは。宗教研究家、撞球斎(どうきゅうさい)康祐です。

さて、近年、ジーサス・クライストのお誕生を祝う日が、極東の島国で歪曲した解釈を与えられ、まるで世の中のカップリングたちのためにある日のように思われていることに、わたくしは怒りを通り越し大いなる憂いを覚えております。

かく言うわたくしは浄土真宗大谷派に帰依する仏教徒であり、キリスト教徒ではありませんので、クリスマスを祝ったりいたしません。当然、当店Five&Halfも仏教徒の店ということになります。

しかし、私自身はキリスト教の教え自体には非常に共感を覚えるところもあり、かつて聖書の研究会などに参加したり、YMCAにて奉仕活動に参加したこともございます。教会のクリスマスミサに出かけ牧師さんの心温まる説教を伺ったこともあります。よって、この12月24日25日にはある種の神聖さを感じたりもするわけです。

ここで問題となってくるのは、やはりこの国のクリスマスの国民的認識です。先に申し上げたとおり、日本ではこの日をカップリング記念日とでも言わんばかりの勢いで、カップルでなければ人でない非モテは町を出歩くべからずなんならコンビニさえ出禁、というような風潮があります。このような差別をともなう国民意識は根深く、さらには自らを臆面もなく"アーティスト"などと名乗る厚顔無恥で金儲け主義のやからが今が稼ぎ時とばかり歌であおり、あまつさえ応急手当のような傷のなめあい、かりそめカップリングが続出し、3月14日までぎりぎりもつかどうかという雪のような二人の関係を知ってか知らずか、ここぞとばかりの蔑視を独り者に投げつけ果実酒片手に「君の瞳に乾杯」などとのたまいながら、いちゃいちゃねちゃねちゃくちゃくちゃずぶずぶ。・・・これはまさに東アジアのアパルトヘイト近代日本の生み出した新たなカースト主義といってよいのではないでしょうか!!!

失礼いたしました。少々、わたくし、取り乱しておりました。

わたくしがこのように皆さんに申し上げるのは、かつてクリスマス直前に彼女と別れイブに漫画喫茶にて、ちばてつや「あした天気になあれ」を全36巻読破したことや、今年は店に一日中引きこもる予定になっていることとはまったく関係ありません。・・・・・あくまで、日本の文化たる”つつましさ”をかえりみんがためであります。

ここまでお話して、ふと疑問を抱かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「たしかFive and Halfの出入り口や、らせん階段にイルミネーションがちかちかしていて、クリスマスチックになっていたのでは・・・仏教徒の店じゃなかったの?

お客様、良いところに気づかれました!当店では行く年来る年を仏教徒として世界平和を祈りつつ祝おうと言うコンセプトなのです。ですから、入り口にあるあの白いひげと赤い服のご年配の方は慈愛の仏、阿弥陀如来なのです。そしてあの羊蹄目(ようていもく)ぽい動物は決してトナカイなどではありません。仏教における平和の象徴、皆さんも東大寺近辺で煎餅をあげたりあげなかったりした鹿、シルクロードから伝えられ法隆寺に収められた国宝「獅子狩紋錦(ししかりもんきん)」にも描かれている鹿、そうただの鹿なのです!店主がそう言っているんだから間違いありません!!!

というわけで、今月24日の夜は来て頂いたお客様に世界平和を祈りつつふわふわした西洋菓子や、仏国はシャンパーニュ地方発祥の発泡性果実酒ぽいものを召し上がっていただこうかなんて考えています。(もれなく、T中会長のありがたいご説教もついてくると思います・・・たぶん)

それでは皆さん、目利井 阿弥陀仏(メリーあみだぶつ)

 

 
12月9日
 

小説 「A子の初体験」 わたし・・・はじめてなのに・・・

(前半省略)

相手の男は、自らの硬い棒を指に挟み、力を込めてしごいていた

A子にとってはすべてが初めてであり、男のそんな姿を見るだけで今までもったことのないほどの憎悪と嫌悪感、そして恐怖が胸のうちからこみ上げてくるのを感じずにはいられなかった。

(なぜ・・・なぜこんなことになってしまったの・・・・)

A子は声にならない思いを心の中でつぶやいた。

(私の初めてはS井さんのような素敵な人と楽しくロマンチックに終わるはずだったのに・・・)

そんなA子の思いとは裏腹に、男は欲望に満ちたその目を前にある""だけに向けていた。

一通り楽しむかのようにしげしげと眺めたあと、男は一言だけ言った。

「入れてやる。」

そう言うと男は前かがみになりながら、シーツとはとても呼べない布の上に片手をつき、なお眼光を鋭くさせた。

(やめて!入れないで!それだけはやめて!私・・・わたし・・はじめてなのに・・・)

しかし、A子のそんな願いもむなしく、男はその硬くしまった棒を力強く前後にストロークした。

(いや・・・いやー!)

やがて男の棒の先端からは白い物体が発射された。

そして、黄色身を帯びた白い物体は穴の中に放出されたのだった。

 

 

 

 

 

 

男「ありがとうございました」

A子「ありがとうございました」

男「いや〜最後の9ボール、すごい緊張してはずしそうな気がしてたけど、入ってよかったですよ」

A子「そんな風に見えなかったですよ。なんかすごく余裕があって楽しんでるみたいに見えました。あー残念。わたし初めてのトーナメントですごい緊張しちゃって。S井さんみたいによくはずしてくれる人が対戦相手だったらよかったなあ。」

男「ほんと、ラッキーでした。」

 

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Last Update : 2005/2/11